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誰も居ないので即興で小説考えましたありがとうございました

「誰か…誰かいないのか…?」

…キーボードを叩く音が響く。
更新されるタイムラインにいる住民は、今日も自分一人だけだ。

SNSというのだから或いは誰かが見ているのかもしれない。しかし、そのアイコンの持ち主はそのことを知る由もないだろう。

その画面にはSNSのウィンドウが立ち上がっていた。しかしタイムラインに流れるアイコンは1つしか見つからない。

混濁とした意識から回復するにはまだ時間がかかるようだ。何もない暗い部屋。ごうごうとなるファンの音、青色がささるディスプレイの液晶が男を照らしている。

どれくらいの時間が経っただろうか。どさりと落とされたような気分と一緒に男の意識は浮かび上がる。

「…………………………う…うぅ…」

蛇に睨まれた蛙は恐怖で体が動かないのだろう。男は身を以て体験している。恐怖の感情が爆発したように膨れ上がり、プツリ。と男の意識は闇に溶けた。

とても大きな、大きな瞳。獲物に照準を合わせたような冷ややかなその瞳は、神秘さを感じさせるほど美しく、艶かしく、そして恐ろしかった。

線だと思っていたそれがぱっくりと開き、かつて見たこともないような大きな瞳から、まるで蜘蛛の糸を垂らすようにぬらりとした液体がゆっくりと此方に向かって落ちてきている。

 瞳 が こ ち ら を 覗 き こ ん で い た

刹那、男の目は見開かれた。鼓動がドクンと音を立て、動向が引き締まる。背中が一瞬のうちに冷えるのも感じる間もなく、狂気が男を支配した。

呻いた。五感を取り戻したと同時に今まで麻痺していた恐怖心がせり上がってくる。人間は本能的に暗闇を恐れるのだ。
耐え難い感情に襲われた男は、流れる気持ち悪さから逃れるようにあの線を仰ぎ見た。

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